「幸せな家族づくり」を目指して“Cafe&Jazz SHOJI”中村 久子さん

身体に優しいものを提供する子どもカフェオーナーの想いとは

さいたま市 浦和区 /「JR浦和駅」 徒歩15分

話を聞いたひと
大熊 あゆ美

━ 何を専門に活動されていますか?

地域の方も来られる子どもカフェを運営しています。
有機野菜で無農薬の野菜や肥料にこだわったお肉、お米を使った手料理と自家製やカフェインレス、ナチュールワインなど身体に優しい飲み物を提供しています。
最近は、赤ちゃんカフェという赤ちゃん連れのママも気軽に来られるカフェも始めていて、赤ちゃんの離乳食を無料で提供しています。
また、11月から親子サロンやママたちにお花を教えるワークショップなど、様々な取り組みも行っています。

お店は、昨年の4月に、北浦和の常盤9丁目から今の常盤2丁目に移転してきて、多くの方々にご利用いただいています。
北浦和のお店では学校に行っていない子や学校から帰ってくる子に、気軽に寄ってもらえるような子ども専用のカフェにしようと思って、小中学校の子がよく晩ご飯を食べにきてくれていましたね。
子育てって、小学生高学年になってからのサポートだと、結構遅いんじゃないかな、もっと小さいうちからサポートしてあげられたら、ママたちが楽になるんじゃないかなと思ったんです。だから、幼稚園、小学生の低学年の子でも来られるようなカフェを始めました。でも、コロナで子どもたちが来られなくなってしまったのと、スタッフに子どもができたりして、そのきっかけで浦和に移転をすることにしました。スタッフに子どもが生まれて、常に赤ちゃんがいるので、赤ちゃんが来るという流れが自然なのかなと、赤ちゃん向けのサービスもやろうとなったんです。そうやって段々、対象の子どもの年齢が下がっていって、今は赤ちゃん~小学生までを対象にしています。毎月土曜日は、小学年の子向けのカフェもやっていて、小学生向けの料理教室もやっています。
ただ、子どもカフェだけだと収入が少ないので、子どもカフェがしっかりと運営できるように通常のカフェをやり始めたんです。結構大人も行き場がないという方も多くて、大人の居場所にもなっています。亡くなった夫がジャズが好きだったので、夫の意思を継いでジャズを流しながら、カフェをやっているという感じです。ちなみに、店名の「SHOJI」は夫の名前です。娘はシンガーソングライターをやっていて、月1回ライブもやっているんです。音楽と組み合わせながら、自分がやりたい子どもカフェをやっています。



━ 活動をはじめたきっかけや経緯はなんですか?

実は私は60歳くらいまで、食育の講座を行う仕事を立ち上げて働いていたんです。
今は、学童や保育園で子どもを預かってもらって仕事をしている方が多いけど、娘が小さいときは、預かってもらえる場所なんてなくて、娘が6歳になってから仕事を始めたんです。でも当時は、北浦和の商店街の方々がすごく子育てに参加してくれたんですよね。子どもの名前を覚えてくれて、よく声をかけてくれたり、お菓子をくれたりして、とてもお世話になったんです。夫は海外赴任が多かったし、実家も遠かったので、地域の方に助けてもらわないと子育てができないなと感じていました。なので、60歳を過ぎたら、子育てをしている方の応援をして、地域の方々に恩返ししたいなと思ったのがこのカフェを始めたきっかけです。

昔のママは勉強会に興味があったんですよね。当時は、大きい子育て本を買ってきて、そこから知識を得るしか方法がなかったんです。でも今は、インターネットがあって、子育ての知識は調べればすぐに出てくるので、そこまで困っていないんですよね。だから、勉強会やワークショップはどうも受けが悪いかもと・・・それに、子育てにデリケートなママや一杯一杯になっているママがいて、ちょっとした言葉で傷ついてしまうということもあるので、ちょっとニーズとは違うのかなと思ったんですよね。なので、ママたちが楽しく、ほっとする場所が必要なのかなと思うようになりました。

まわりのママたちに、どんなものをやったらいいと思う?と聞いてみたんです。すると、ママたちがやっていることは大丈夫だよと言葉をかけてくれる、くつろげる癒やしの場所、情報交換ができる場所を求めている方が多いんだなと知って、今年からカフェの形態を変えたんです。

また、スタッフがテレビで「赤ちゃん食堂」という食堂が取り上げられているのを見て、すごく人気があるみたいだと教えてくれました。赤ちゃん食堂は、いつ行っても離乳食を無料提供してくれるところで、来たついでに子育ての悩みを話したり、ママたちのたまり場になったりして、とても楽しそうで、離乳食が作るのが大変なママや孤独なママにとっては、すごくいいなと思ったんです。だから、うちも「赤ちゃんカフェ」という名前にしてやってみることにしました。

━ 今後の夢や野望、ビジョンはありますか?

昔みたいに地域の方たちが子どもを育てているママたちの応援をする流れがもう1回できたらいいのになと思っています。商店街で子どもカフェをやる方が増えてくれたら嬉しいです。仲町小学校の子がよくお店の前を通るので、声をかけるようにしているんですよね。夏になったら、麦茶や飴を置いて一息ついてもらえるような、そんなこともできたらいいなと考えています。北浦和にお店があったときも「お水ちょうだい!」と小学生が寄ってくれていましたね。

また、子育てを楽しくできるママ、幸せだなというママを増やしたいなと思っています。
「幸せな家族づくり」が私のやりたいことなんですよね。自分も含めて。夫は亡くなっているけど、いつも近くにいて、子どもや孫と一緒にいて、幸せな家族があるんです。

外では仕事や学校等で大変ことが多かったり、いろんな想いをして帰ってくるじゃないですか。でも、家に帰ってくると美味しいご飯がでてきて、幸せだなって思ってくれたらいいな。そういう家族をつくりたいんです。私はそういう家族をイメージしながら自分の家族をつくってきたし、娘たちにもそうなってほしい。みんなにもそういう家族をつくりませんか?とシェアしたいんです。ここのお店がそういう場所になったらいいなと思っていて、お店だけど実家のようなそんな存在になりたいです。今年の目標は、大きな実家にすることなんです。来てくれたら優しく迎えてくれるような実家。そういう実家がない人も結構いるんじゃないかなとも思うんです。ここで感じた優しさや温かさを家に持って帰ってもらえたらいいな。繰り返していくと段々と肌になじんでくる感覚があるんじゃないかな。

━ どんな人にきてもらいたいですか?

お父さん、お母さん、子どもたちが中心になるんですが、自分たちだけで育てているんじゃなくて、地域の方もふらっと来て見守ってくれるような、そういう姿が理想的です。
北浦和のときのお店では、お一人で寂しいからというおじいちゃん、おばあちゃんも来てくれていたんですが、こっちのお店になってからあんまり来ないですね。移転したことを知らない方もいるかもな。ぜひそういう地域の方にも来ていただきたいです。また、地域に根ざして幸せな家族づくりを応援してくれる方にも来てほしいなと思います。

━ 浦和への想いを教えてください

私は大阪出身ですが、浦和に引っ越してきて30年経つので、育ててもらった第二のふるさとです。すごくお世話になった地域ですね。大阪みたいにもっと近所の方との交流があるといいなと思います。

手作りで身体に優しいものをご提供していますので、多くの方にそういったものが届いたら嬉しいです。
気軽に会いに来てくださいね。

Cafe&Jazz SHOJI

中村 久子
〒330-0061 埼玉県さいたま市浦和区常盤2-10-5
070-3668-6727(カフェ11:00~16:00 月曜・日曜定休)
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