手作りの食を通して人と人とがつながる場所“misu’s Kitchen”福岡 美鈴さん

こだわりの食材で作ったお惣菜で商店街を元気にしたい、オーナーの想いとは

さいたま市 浦和区 /「JR浦和駅」 徒歩10分

話を聞いたひと
大熊 あゆ美

━ 何を専門に活動されていますか?

2024年9月21日に前地通り商店会にお惣菜のテイクアウトとカフェのお店をオープンしました。
「商店街」の特性を活かし、生活の中で気軽に寄れるお店を目指し、手作りと仕入れに強いこだわりを持ち手間ひまかけたお惣菜を作っています。おこめに合うおかずと野菜をたくさん使った副菜を、並べたお惣菜から選べるお弁当やランチセットなど、楽しみながらバランス良く召し上がれます。また、飽きずに何度でも行きたくなるように、仕入れた食材によって毎日メニューを変えています。
今まで作ってきたお惣菜の数は、200を超えています。人気商品は、焼き豚でお客様からこの焼き豚がとにかく美味しいと言っていただき、二度三度通ってくれる方が増えました。写真を撮ってシェアしてくれることもあります。他にも、餃子、焼きコロッケ、鶏の唐揚げが人気ですね。鶏の唐揚げはお子さんから人気があって、小学生がおやつの感覚で買いにきてくれることもあるんです。
あと密かにスイーツも人気です。この前、米粉のシフォンケーキを出したら、すぐに売り切れました。お惣菜が優先になっているので時々しか作れないんですけどね。
食材は自分が美味しいと思うものしか使いません。
野菜はできる限り地域の農家さんや生協さんから仕入れていて、なるべく有機野菜を使うようにしています。また、地元の顔の見える人から買うということを大事にしています。
肉・魚もこだわりがあり、豚肉は、7年連続で三ツ星を獲得しているとても美味しいものを使用しています。
飲み物は、ホットコーヒー、アイスコーヒー、カフェラテ、カプチーノ、フラットホワイトなどがあります。フラットホワイトは、オーストラリアでよく飲まれている、エスプレッソにスチームミルクを加えたコーヒーなんですよね。これから、ドリンクの開発はしていこうと思っています。

お子さんが待っている間におもちゃで遊べるように小さなキッズスペースもご用意しています。
自分が子育てしていて一番困ったのが、自分が何かしたいときに、子どもがどこかへ行ってしまったり、泣き出したり、帰りたいと言われちゃったりすることで、とにかく大変だなと感じていました。
子どもが行きたくない場所は子どもを連れて行けない場所になってしまうと思いました。
実は以前、テニススクールの運営を任されていた事がありまして、クラブハウスとテニスコート脇の2箇所にキッズスペース、宿題をしやすいように小さいテーブルを増やしたりして、子どもたちが過ごしやすい場所にしたんですよね。
保護者の方が小さな弟妹を連れて来てもゆっくり見学できると大好評でした。
この経験を活かし、自分が開くお店は、絶対子どもが行きたい場所にしたいと思いました。おもちゃを店頭に置いていたら、それに立ち止まる子が多く、ここはミニカーがある場所、おままごとがある場所とお子さまが認識してくれました。お母さんも落ち着いてお惣菜が選べているようで見ていて嬉しいんですよね。帰るよとお母さんが声をかけると親子でお片付けをしてくれて、そういう光景を見るのが好きなんです。

私の職歴はちょっと複雑で色々とやっていたのですが、メインは飲食店とテニスコーチです。
子どもの頃からテニスをやっていたので、テニスの仕事に就きたかったのですが、飲食の仕事を始めました。中国料理で有名な銀座アスターに就職し、サービスマンとして接客のすべてを学ばせてもらったんですよね。次第に独立願望が強くなりました。自分がお店を出すことになったときに調理人がいなくなっちゃったらお店を閉じないといけないなと思って、自分が技術をつけた方がいいんじゃないかと思ったんです。なので現場で修行したり、専門学校に通い製菓衛生師の資格を取りました。飲食の経験は9年くらいです。
独立する為には同じ業界だけではなく、別の業界の事も学ぶことが必要だと思いました。クリーニング店の店長や店舗管理、開業支援など、コンサルタントのような仕事もしていました。
クリーニング店の後は、人材教育を学びたくて、たくさん勉強し、インプットとアウトプットを繰り返しました。当時読んだディズニーランドのスタッフ教育について書かれた本に感銘し、自分も学びたくなりディズニーランドでも働きました。他にも、ブライダル、経理事務、保育園、古民家カフェなど本当に色んな仕事をしてきましたが、今にいきています。ブライダルは過酷でしたが、ひとつの一生のイベントを企画して、最高の思い出をつくることはすごく勉強になりましたね。ボランティア含め、たくさんのイベントを企画開催しましたが、その礎はここにあったと思います。特にテニススクールの運営に役立ちました。



━ 活動をはじめたきっかけや経緯はなんですか?

前地通り商店会に人を促す目的で長堀米穀店さんとものくり商事さんが企画する「おこめのとなりプロジェクト」のコンペに参加したのがきっかけです。前地通り商店会は、後継者がいなくシャッターが閉まってしまったお店が多く、日々の生活に必要な飲食店が少ないと思ったんです。
そんな商店街なら、通常のお茶を出すカフェではなく誰でも食べられる「お惣菜」がいいんじゃないかなと。まずはテイクアウトメインのお店にして、毎日来ても違う商品が並んで飽きずに通えるお店、変化し続けるお店にした方がターゲットを絞り込まずに全部の層の方にご利用いただけるし、外からも人が来てくれるのかなと思いました。なので形が決まっていないというのがうちのコンセプトですかね。
コンペの内容を読んだら、お店のイメージが浮かんできて、ワクワクしたので応募することにしました。最初は、応募書類ペライチで提出したのですが、他の方々が何枚も書かれていた中で、逆に目立ってしまったようでした。企画内容が良かったのでもっと話を聞いてみたいと思ったらしく一次選考を通過したんです笑。その話を伺い、しっかりと想いを伝えねばと資料を膨大に増やし再度提出しました。これまで色んな経験をしてきているので、資料を作ったりプレゼンしたりするのは得意だったんですよ。
私は、何かを立て直してきた経験が多く、きっとそういうことが好きなんですよね。元々ある形を残しながら、自分のエッセンスを加えて、新しいものを作っていくことにやりがいを感じます。前地通り商店会も昔はとても栄えていたとのことでしたから、そこにポテンシャルがあると思ったんですよね。

━ 今後の夢や野望、ビジョンはありますか?

このお店から誰かが巣立って活躍したり、お店がどんどん増えていったら楽しいと思います。
「みすずキッチン」だけでなく、「○○カフェ」でもいいし、形にとらわれず増えていってくれたらいいな。実は、地方の友人たちから、こっちにも「みすずキッチン」を作ってほしいと言われています。
色んな土地にお店が広がっていってくれたら面白いなと思っています。

━ どんな人にきてもらいたいですか?

ターゲットは、浦和駅をメインに利用する方ですね。今は、幅広い層の方が来てくださっているんですよ。ただ、まだ若い方が少なくて通勤と通学で立ち止まるようにしていきたいです。特に学生が少なくて、友達との食べ歩きも増やせたらいいなと思っています。
以前は前地通り商店会を通らなかったけど、お店ができてからこの道を通ってくれるようになった方も沢山いらっしゃるんですよね。インスタをみて、ピンポイントで狙って来てくれることも増えました。そんな方がもっと増えたら嬉しいです。

━ 浦和への想いを教えてください

3歳のときからさいたま市緑区に住んでいて、学校もずっと浦和でした。
子どもの頃は、東浦和は何もなくて、何かあると浦和駅に行っていました。中山道や十二日町など、とにかく浦和駅近辺で遊んでばかりいた浦和っ子で、とてもお世話になった街です。このお世話になった地元の浦和で何か恩返しできたらなと思っていました。
このお店は、人が集う場所にしたいと思っていたのですが、不思議とこのお店で知り合い同士がばったり会うことが多いんですよね。自然と、人と人とがつながる場所になっているんです。
今後は、何かテーマを決めて、人が集うっていうのも面白そうだなと思っているので、企画してみたいですね。

ぜひいらしてくださいね。

misu’s Kitchen

福岡 美鈴
〒330-0053 埼玉県さいたま市浦和区前地3-1-11 長堀米穀店内
048-400-2000(11:00~19:00 月曜・日曜定休)
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