ひとりひとりのお客様の顔を浮かべながら…
あなたの「残したい」の力になりたい
さいたま市 浦和区 /「JR浦和駅」 徒歩6分
大熊 あゆ美
━ 何を専門に活動されていますか?
浦和で「時音」(ときね)というお店を構え、時計の修理をメインにやっています。
それとちょっとだけ、時計を売っています。
アクセサリーは、前に売っていたのですが、今は売っていないんですよね。
目利きできるものではないし、何が売れるのかが分からないから、
あまり販売は手を出さないようにしていたのですが、時計の販売は、スペースがあるので、使っているだけなんですよ。
お客様の層は、浦和だけでなく、大宮、川口、戸田からも来店くださり、30代半ばのビジネスの方~年配の方が多いです。
また、以前よりお取引していた企業さんやお店さんからも、起業時からお仕事をいただけていて、今も続けてくれています。
このロゴは、
「色んな人の助けや個性があって、修理ができている」という意味を込めています。
時計修理は、時計師だけでなく、バンドを作る人、ガラスを作る人など様々な方が関わっているんですよね。
また、シンボルマークの色は、日本の伝統色をつかっています。
━ 活動をはじめたきっかけや経緯はなんですか?
時計の修理をして、約20年。
独立して4年、浦和にお店をだして3年になります。
上尾が実家ですが、元々起業するときは、東京でと思っていたし、埼玉で仕事があるのかな?と思っていました。
ただ、人が多そうで、家賃や安そうなところはどこかと考えたときに、都内でぴんとくる場所がなかったんですよね。であれば、実家の埼玉でと考えて、大宮、春日部、川越も見てみたのですが・・・これもまたぴんとこなかったんです。
そこで、浦和はどうだろうと考えて、学生時代に浦和の「彩光舎」に通っていて馴染みもあったし、人は多いけど、落ち着いているイメージがあって、浦和いいかもと思いました。
起業する前は、16~17年間サラリーマンとして働いてきました。
学生時代に、日本画を学んできたので、本当は美術の大学に行きたかったんですけど、なかなか行けなかったんです。
なので働かないと・・と思って、地質のアルバイトをしました。
でも、60歳になってもこの仕事ができないんじゃないかと思って、本屋に行ったんですよね。
実は元々、ファッションにも興味があって、ファッションの一部に「時計」がありました。
本屋で、時計の学校があると知って、これはずっとできる仕事なんじゃないかって感じて、時計の学校に夜間で1年、通うことにしたんです。
25歳くらいだったかな。
夜間は就職の斡旋がなかったので、自分で探さないといけないんです。
求人を3カ月間探して、最初は大宮の時計修理のお店で、アルバイトとして、勤務を始めました。
ただ、いわゆる高級時計に触りたいという気持ちがあったので、早くそういう環境にいきたかったんですよね。だから、勉強して技能検定2級をとって、再度求人探しを行いました。
その後、色んなお店やメーカーでも経験を積んで、小売のことも学ぶことができました。
また、知り合いから、時計専門の修理店の立ちあげ時に声を掛けてもらって、関わることになったんです。ここは7年くらいいたかな。
その後、段々と独立を考えるようになりました。知り合いの方からも声はかけていただいたものの、もう40歳を過ぎていたので、転職よりは独立かなと・・
そうやって、色々とありましたが、ようやく今にいたります。
━ 独立してみて感じられたことはどんなことですか?
独立して、働き方がサラリーマンとは全く違うので、仕事している時間は増えたし、このくらいやらないとだめだなと、改めて思います。
大変ではあるけれど、苦痛ではないし、指示されるのではなく、自分がやりたいようにできて、自由ですよね。
自分が必要だなと思えば、自分の判断で買うことができますし、責任も出てきますが、サラリーマンのときは、人間関係での苦労があったので・・
でも、時計が郵送時とかに、故障しないかな、怖さを感じるときはあります。
━ 今後の夢や野望、ビジョンはありますか?
若い方に修理を知ってもらいたいなと思っているので、イベントを考えています。
時計は、ちゃんと手入れすれば、100年ももつんだということを、知ってほしいです。
物を大事にすることにもつなげられたらと思っています。
現実って思い描いたようにならないし、コロナとか自分の考えている以上のことが起きるので、流れに任せようと思っている。
それと、最近とても思うことは、ちょっとしたことも、地域のつながりを大事にしていきたいってことですね。
来てくださったお客様から、色んな発展につながることもあって。ここに飾ってある絵を描いてくれた方が、お客様をつれてきてくれたりして。
元々アクセサリーを置いてあったスペースを使って、小物系を販売したいという方がいれば、使ってもらってもいいし、絵を無料で置いて、展示スペースとして活用してもらってもよいなと考えています。
━ どんな人に来店してもらいたいですか?
「こういう時計は修理しない」というものは、ないです。
どんな時計でも、持ってきてもらいたいなと思っています。
他店舗だと、古い時計や置き時計は、修理できないというところもあると思うので、困ったらとりあえず持ってきてもらいたいです。
時計修理は、「自分が直せるか、直せないか」の基準で決めています。
色んな方の「残したい」の力になりたいです。安い時計でも、高い時計でも、その方にとっては、かけがいないもの。
形見や新築祝いでもらった時計・・など、話も聞けることは、やりがいです。
また、修理しているときに、その人の顔を思い出すので、人と人と対面で会話をしてから、修理できるって嬉しいです。
終わった後も、大丈夫だったかなと気になってしまいます。
「大丈夫、ちゃんと動いているよ」と言ってもらえると、安心します。
時計修理工房時音
齋藤 澄人
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