学び続ける会のこれからを支える“浦和ガイド会”高橋 早苗さん

浦和の歴史伝承と会の未来のために
会長としてできること

さいたま市 浦和区 /「JR浦和駅」 徒歩15分

話を聞いたひと
大熊 あゆ美

━ 何を専門に活動されていますか?

平成17年3月に発足した浦和ガイド会の会長を務めています。平成31年4月~会長になりました。
浦和ガイド会では、旧浦和市を中心とした歴史史跡のご案内や歴史文化講座を開催し、多くの皆様に楽しんでいただいています。
そもそも、なぜこの浦和ガイド会が発足したのかというと、当時の仲町公民館職員の方から、浦和の観光ボランティアを養成したいという意見が出たんです。それは、館長も考えたことがないものだったので「いいね」ということになり、講師の方や既に発足していた岩槻観光ボランティアの皆さんの協力を得て、公民館で歴史講座をやっていたメンバーが中心となって会ができました。

━ 活動をはじめたきっかけや経緯はなんですか?

私は、発足して2年後の平成20年に会員になりました。
入ったきっかけは、読売新聞の埼玉版の記事で団体紹介や会員募集を見たことでした。
実は、子どもが幼稚園のときから、高校卒業するまでPTAをやっていたのですが、それが終わり時間に余裕ができたとき、東京から浦和に嫁いできて何年もたつのに「あら、浦和のことを何もしらない」と気付き
この会員になれば浦和のことが少し分かるのではと思い、すぐに飛びついて応募をしました。

私が会員になったときは、とても入会人数が多かったんです。
60歳の定年を迎え、仕事ばかりで育った地元を知らないという男性の入会が多い印象でした。

━ 日々感じることややりがいはどんなことですか?

最初は、汗をかきながらのガイドで、失敗もありました。
多いときはおおよそ20人の参加者の方の前でガイドすることもあり緊張しましたが、私の目を見つめてじっくり話を聞いていただけるということが、本当に魅力でしたね。特に最初は、参加者の方からの質問に答えられないこともあるのですが、自分なりに調べてそれが分かるようになるということも楽しいですよね。

参加者の方からは「普段歩いているけど、知らなかった」「今後は、ガイド会の一万歩クラブに参加したい」といった反応も多く、リピーターが多いです。また、「こんなに丁寧に説明してくれると思わなかった」と感動していただける方もいて、やりがいにつながります。年齢層は、65~70代以降の方が多いですが、ガイド会独自イベントの一万歩クラブについては、若い方やお子様連れの方も参加します。皆さん、公民館や区役所でのチラシ、区報、たまログ、HP等で知っていただいているようですね。

━ 会としての活動はどんなことですか?

会議体として、三役会、役員会、定例会をそれぞれ毎月開きます。会員は現在若干男性の多い43名。5つのグループに分かれていて、私もその1グループの一員として、時にはガイドを行います。また、ガイド会独自のイベント「一万歩クラブ」を年6回行っています。それ以外、お客様からのオファーがあれば、相談・提案の上、行っていきます。個別のオファーコースは、以前はオーソドックスでしたが、最近は皆さんも勉強されていて、細かくコースを指定されることがあります。やったことのないコースもあるので、いちから勉強して、コースのトライアルを必ず行いますし、訪問先の挨拶に伺うことも心掛けています。ガイドをするということは、日常への侵入者になってしまうので、会員全員に気を付けてもらうように周知しています。

また、ひとつのグループに2~3人はガイドがつき、ガイドをしている会員以外が、その場の状況を見て、まわりの迷惑にならないように注意しています。

━ 会長としての役割について教えてください

会長の役割として対外的に公的な書類や挨拶文を作成しますが、就職経験は南浦和のヤマハの営業を5年くらいやっただけですので、エクセルや公的な書類作りにはじめは苦労しました。

また、会長が一人で会を運営していくのではなく、三役や役員など周りの優秀なスタッフの力を借りて、できない所は助けてもらいながらやっています。いかに自分の周りに優秀な方をおけるかというのが、最も重要なことだと思っていて、助けてもらいたいときに助けてもらえるような関係性を作り、会議体がうまく進行していくように心掛けています。

以前の会長は、男性でとてもしっかりとやられていたので、会長になりたての時はとても不安でした。
会長になってから1年は、以前の方を真似て、どういう風にやっていけばよいかを模索していました。男性と女性との考える脳はやっぱり違うので、時々男性での発言は、はっとさせられますが、女性の会長になった私は何ができるかって考えたときに、外から頼まれたことは絶対断らないようにしたいと思いました。今は、「会長の高橋」としての依頼は、すべて受けるようにしています。依頼を受けることによって、私が目立つこともあると思いますが、ひいてはガイド会を知ってもらうことにつながるので、チャンスとして捉えています。

━ 浦和への想いはどんなことですか?

マンションは増えているけど、古いものがあまり残らないことがとっても残念に感じています。
何気なく通っている場所が、実はこういう場所だったと伝えられるプレートがあるといいなと思います。ガイド会でもMAPを作っていますが、文化の小径づくり推進委員会の一員として浦和の案内冊子や西口前の案内板、説明版等を作っていますので、より多くの方に見ていただけるといいですね。

━ 今後の夢や野望、ビジョンはありますか?

今後も、地域の方と協力して、地域に貢献していきたいというのは当然ですが、会員の一部の方に負担がいかない仕組みを構築していきたいです。3年後のガイド会を目指して、グループの編成を調整し、グループ間の垣根を超えられるようにできると、誰でもリーダーになれて、全体が楽になるかなと考えています。仲町公民館だよりの「私たちの浦和学」コーナーへの掲載原稿は会員全員が書けるようにしています。

今後、究極はバーチャルなのかな。ここはこういう場所だというのが、映像でてくるみたいな。あと、遠くにいてもガイドが聞こえるイヤホンを付けてもらえると便利だなと思います。

さらに、子どもたちに地元を分かってほしいなという想いもあります。ある学校で地元の話をしたこともあるのですが、一部でしかやっていないので、今後こういったお手伝いをもっとしていきたいなと思っています。自由研究に活かしてくれた小学生もいましたが、それってすごく嬉しいですよね。

━ どんな人に会員になってもらいたいですか?

一緒にやっていける方ならどなたでも歓迎です。
以前は、入会したいという方に、まず養成講座に参加いただいていましたが、今は70歳まで仕事ができるので、入会人数が少なくなってきました。そのため、通年で募集をして、入会したいという方をその場でキャッチして、個別にオリエンテーションをしています。そのお陰で、毎年数人は入会申込があります。また、シニア大学や未来大学からの依頼で講座と募集も案内もできるので、そこでも入会があります。
会員の方たちも、仕事やガイド会だけではなく自分の趣味や他のボランティア等、沢山をやっている中の1つにガイド会があるといった形になってきています。だから参加できるときに、参加したいところをピックアップして、但し必ずどこかに参加してもらうようにしていますので、安心して仲間になっていただければと思います。時代の変化によって人の考え方も変わってきていますしね。
そういえば、新人会員の方に「いつでも学べるガイド会ですね」と言われたのがすごく嬉しかったです。定例会の中でも地域交流会で色んな講座を行ったり、年1回は研修旅行や地元の研修を行っているので、日々学べるということも定着につながっているんだと思います。新型コロナウイルスで、ガイド件数が減ったこの3年間に会員数が変わらなかったことは嬉しいです。

━ どんな人に参加してもらいたいですか?

特定はないので、どなたでも歓迎です。
会のイベントに参加して、知らなかったことにはっとしていただきたいと考えています。
何もないと言われている浦和だけど、何気なく歩いているところに歴史が潜んでいるので、ぜひ浦和の歴史に興味を持っていただけたらいいなと思います。

さいたま市観光ボランティア 浦和ガイド会

会長 高橋 早苗
浦和ガイド会案内所 岸町防犯ステーション内
〒330-0064 埼玉県さいたま市浦和区岸町5-1-2
080-6538-1054(月~土曜日13:30~15:30)
浦和ガイド会 WEBサイト

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