美術と人と地域をつなぐ“ハブ”として
“ギャラリー彩光舎” 飯島 豪さん

何を飾るのかではなく、どんな人が来るのか、どう繋がるのか…その部分の“質”を高めていきたい、と語る。 “ギャラリー彩光舎”飯島 豪さん

さいたま市 浦和区 /「JR浦和駅」 徒歩11分

話を聞いたひと
みうら ゆみ

さいたま市浦和区の旧中山道沿いに構える「彩光舎」は、「彩光舎絵画教室」をはじめ、美大を受験するための予備校「彩光舎美術研究所」、貸しギャラリー「ギャラリー彩光舎」、美術材料の専門店を併設し、浦和で50年以上も続く美術専門の総合施設です。今回私たちは、美術作品の発表の場として親しまれている「ギャラリー彩光舎」にスポットをあて、創業者の想いを未来へと繋ぐ、飯島 豪さんにお話を伺いました。

━ ここはどんなスペースですか?

どなたでも展覧会ができる貸しギャラリーです。絵画、工芸、写真など個展やグループ展を開催したり、私たちが企画する小さな絵の展示会「サムホール展」や、彩光舎絵画教室の生徒さんの作品の発表の場として、多くの方々にご利用いただいています。

━ オープンするきっかけや経緯を教えてください?

1967年、美術を勉強したい方々のため場所を探していた美術系大学の先生との出会いがきっかけで、画材専門店の一角を絵画を学ぶためのアトリエとして提供し、絵画教室を併設したのが始まりです。1975年には芸大・美大受験予備校「彩光舎美術研究所」を創設、1980年には、絵画教室の生徒さん作品を発表する場として「ギャラリー彩光舎」がオープンしました。

━ こちらは、私(聞き手)も絵を学ぶため学生時代通っていた思い出深い場所です。昔と比べ幅広い層の方が出入りしているように感じます。

そうですね。以前は美大を目指す彩光舎美術研究所の学生で賑わっていましたが、最近では、主婦の方や今までアートに全く触れたことがなかったご高齢の方が趣味として通われたり、仕事のスキルを上げるためにデッザンクラスを受講している社会人の方、そして、幼稚園児から中学生を対象とした子ども絵画教室の生徒さんなど、絵画教室全体で大人の方で約200名、お子様で約100名の方が在籍しています。

生徒さんひとりひとりの経験や目標が異なりますので、ご自分のペースで楽しみながら、絵を学ばれていて、生徒さん同士の交流も楽しみの一つのようです。「ギャラリー彩光舎」では、年に一度、受講されている方々による作品展示会を行っています。発表できる場があることで制作意欲も湧きますし、見ていただいた方から感想をもらえると、やっぱりうれしいですよね。みなさん「絵を描く楽しさ」実感しているようで、とても生き生きしています。

━ ギャラリーでは絵画教室の作品展以外にどんな展示をしていますか。

今年で15回目となりますが、ギャラリー主催の企画展「サムホール展」を開催しています。これは、お子様からプロの方まで、サムホールサイズ(22.7×15.8cm)の作品であればどなたでも出品できる人気の展示会で、毎年100名以上の方にご応募いただいています。出品者はご自身で販売価格を設定できますので、過去に絵を勉強して間もない方の作品が高値で売れることもありました。この展示は、評価の“ものさし”にもなりますし、作家さんにとって励みにもなると、ご好評いただいています。
他にも、貸しギャラリーとして運営していますので、お問い合わせいただければどなたでも展示することができます。リピーターの方もいらっしゃいます。

━ ギャラリーのこだわりや想いをお聞かせください。

アートと地域をつなぐ美術の総合的な“ハブ”としてオープンなスペースを目指しています。それは、作家さん同士のつながりであったり、アート関係者と一般の方たちとの接点であったり、本格的な画廊は、敷居が高くて入りにくい印象もありますが、ここは、展示する作品に対してフィルターは使わずに誰でもご利用いただけますので幅広い層の方が展示をし、そこに集まる来場者の方も十人十色です。

それから、入りやすさを意識し、外から展示の様子が見えるようガラス張りにしているのも、オープンなギャラリーを目指す工夫のひとつです。そして、ここには自らも作家活動をするスタッフがおりますので、作品を展示する上で、作品の魅力を引き立てるためのアドバイスができるのもこのギャラリーの魅力です。

━ 夢を実現するための具体的な取り組みはありますか?

4年前から地域の美術と街巡りを掛け合わせたアートイベント「美術と街巡り・浦和」展に参加しています。これは、浦和の歴史と今を感じさせる旧中山道沿いを中心とした場所に美術作品を展示するプログラムです。毎回たくさんの方にご来場いただいています。このアートイベントで一人でも多くの方が素直に「アートっていいな」と感じていただけるとうれしいです。何を飾るかではなく、どんな人が来るのか、どう繋がるのか、そういった部分の“質”を高めていきたいと思っています。

━ ご利用頂いた人やこれから利用して欲しい人に向けてのメッセージをお願いします。

1980年にオープンしてい以来「ギャラリー彩光舎」は、プロの方からお子様まで幅広い層の方にご利用いただいています。
美術を通して、繋がる場としてみなさんにここを活用していただきたいです。

ギャラリー彩光舎

〒330-0064 埼玉県さいたま市浦和区岸町6-2-1
会期中無休(年末年始・夏期休暇あり) am10:00 – pm6:00
048-822-9952
ギャラリー彩光舎 お問い合わせページ
ギャラリー彩光舎 WEBサイト
彩光舎絵画教室 WEBサイト
彩光舎美術研究所 WEBサイト

掲載内容に関するお問い合わせはこちらから!

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