生まれ育った浦和の街で好きを仕事に35年
“柳沢画廊” 柳沢 敏明さん

画廊で企画した作品は、最初から最後まで自分が責任をもって見届けて…だから、作家に信頼される “柳沢画廊”柳沢 敏明さん

さいたま市 浦和区 /「JR浦和駅」 徒歩5分

話を聞いたひと
小林 優佳

━ ここはどんな画廊ですか?

企画専門画廊です。あとは今も注文があれば判子も作っています。

━ 活動をはじめたきっかけや経緯はなんですか?

35歳で画廊を始めました。
目の前の道路のセットバックがきっかけで、建て直すことになり、1階は父がやっていた判子屋で2階3階をどうするかという時に、僕は元々好きなことを仕事にできたらと思っていたので、両親の理解もあり、自分のやりたいことを始めました。
いろんな条件が重なってこうはなりましたね。

━ ギャラリー巡りがお好きだったり、作品をコレクションしていて、画廊をはじめたんですか?

元々絵は描くのも見るのも好きだったので、好きなことで仕事ができればいいっていうのは誰でも思うよね。そう、あとは銀座の画廊も見て回ったり美術館も行ったりして、画廊という仕事が面白そうと思っていました。
最初は自分が好きな外国の作家(ジャン・ミッシェル・フォロンとか)、まずは自分が好きなものを見せたいというのがあって、自分が持っているものとか、画廊に交渉をして集めて、展示したりしていました。あとは空いているところをとりあえずは貸して、そういう時期もあったかな。最初の5年くらいはそうしていました。
結局、貸画廊(作家の自主企画)と企画画廊(画廊プロデュースの展示)では、ビジネスとしてまったく違うというのと。
あとは判子屋にもつながるんだけど、判子屋は注文を受けてから売るところまで自分でやります。全行程を自分でやるわけです。そうすると、売ったものに対して自分が責任を持てるでしょ。そういう生活をずっとしてきたので、たとえば貸画廊で作品が売れてもそれは作品に対して責任を持てないわけですよね、だけど購入した人は”柳沢画廊”で買ったと思うわけです。それが気分が悪かった・・・(笑)というかやっぱり自分で最初から最後まで見届けて、渡したものに関しては自分が責任を持てるという確信を持った時に展覧会をやるという、そういう風にしたかったんです。

━ 画廊のこだわりや想いはありますか?

作家に信頼されるというのが一番。作家との共同作業なので、お互いに信頼し合って仕事することですね。同じ作家の繰り返しが多いから、一番古い人なんて30年以上続いているからね。

━ 今後の夢や野望、ビジョンについてお聞かせ下さい

やりながら勉強したみたいな感じでやってきて、
健康でいられれば続けてはいきたいと思っています。
確立された知名度がある人が展示する画廊ではないと思っているのね、そこに向かっていく人たちのための画廊という想いでやってきたから、そういう基本的な姿勢は変わらずやっていきたいんだけど、年齢的な限界もあるだろうし、だから健康であって体も動いてお金も回っていけば、若い作家にとも思うけど・・・そこはちょっと微妙ですね。あと何年一緒にできるか、10年も過ぎれば私は80歳を過ぎるわけですしね。
まず第一段階の経験としてうちでやってもらって、最初の頃展示してた作家は都内のある程度確立された画廊で展示するようになっている人が半分以上だし、だからそういうことの前段階としてね、浦和で画廊をやるっていうのはそういう制限はあると思うから。

━ 夢を実現するための具体的な取り組みはありますか?

毎朝ストレッチ(笑)
東浦和の自宅から画廊まで歩いて来たりもしています、たまにね。

━ どんな人にどんな風に利用して欲しいですか?

そうだなぁ、長いことやってきた経験から言って、そんなにたくさんの人が来るようなものではないっていうのがもう充分わかっていて、だから好きでわかって来てくれる人が増えればいいなとは思っています。
僕はどちらかというとデザインとかイラストとか、そういうものが好きだったんです。そこから版画、結局印刷されたものでしょ、そういうものに好みが合ったので。僕たちが若い頃って外国の有名な作家のものを日本で展示するときでも、現物は持って来られなくても版画で見せてたんですよ。ピカソとか有名なものもそうだしアメリカの現代美術もそうだけど、展覧会の内容に版画がすごく多かったわけね。
うちは最初は版画の作家が多かったんです。そういう時代の要因はあったかもしれない。
それはなぜかというと、やっぱり、現物の一点ものよりは安いし、僕が最初にやりたかったのは、まだその頃は油絵は1号何万円っていう「絵は高い」っていうイメージをもうちょっとカジュアルなものにしたかったんですよね。せいぜい1〜2万円で買えるなっていうと、わりと若い版画の作家っていう選択肢が出てくるわけ、そして若い割にクオリティが高い。だから最初は本当に版画の作家が多かったですね。はじめは7〜8割は版画作家だったかな。

━ トビラに期待していることはありますか?

土地絡みではない人間関係ができるのはすごくいいことだと思います。逆に他から来た人のほうが活発なんですよ。地元の人間ってやっぱりその中での体裁とかそういう上下関係とかもあるだろうし。だからそういう人間関係で物事が決まっていくよりは、いろんな人が出て来てやったほうがいいと思うんで、そういう面では非常に期待しています。

━ ご利用頂いた人やこれから利用して欲しい人に向けてのメッセージをお願いします

画廊って怖いイメージがあるみたいなので、怖がらずに来て下さい。

ギャラリー内のようす

柳沢画廊

StudyRoom223

〒330-0063 埼玉県さいたま市浦和区高砂2-14-16
JR浦和駅 徒歩5分
11:00~18:30 (水曜定休)
048-822-2712
柳沢画廊 WEBサイト

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