ママから起業、いつでもワタシらしく!
“合同会社 ままのえん” 小林 あゆみさん

さいたま市での子育ての経験からママたちと一緒に会社を設立した “合同会社ままのえん/浦和のコワーキングスペース「ウラコ」”小林 あゆみさん

さいたま市中央区 /「JRさいたま新都心駅」 徒歩8分

話を聞いたひと
大熊 あゆ美

━ 何を専門に活動されていますか?

合同会社ままのえんの事業としては、大きく分けて3つですね。
①プロモーション支援
講座やイベントを行っています。例えば、年間でショッピングセンターの販売促進の様々な取り組み、講師の調整、ディレクションなどを行い、ワークショップを定期開催しています。
また、大型マンションへの入居を検討している方向けに、地域情報をお伝えするというお仕事もあります。地元ママがさいたまってこんなところだよと説明して、地域を知ってもらい、マンションへの興味につなげていきます。地域の良い部分と悪い部分のありのままをお伝えしています。

②一時託児
資格を持っているママたちがイベントや講座の時に別室で子供を預かり、子育ての相談もできるようにしています。あまり余白をあけずに、ママたちが再就職をできるような仕組みを作っています。

③内職ラボ
ハンドメイドのワークショップや販売の活動を当初やっていたのですが、この活動に加えて内職ラボも開始しました。今は、例えば定期的に劇団さんの小道具をつくったりしています。

ママの会員は、さいたま市内で約300人いますね。
きちんと稼げることを意識して、BtoBで動くようになりました。商業施設の講座イベントや、労働支援施設の託児委託、ハンドメイドでしか対応できない製品の製造をするなどの動きになっています。有難いことに、次々とお問い合わせいただいています。

━ 活動をはじめたきっかけや経緯はなんですか?

以前は足立区に住んでいて、娘が1歳のとき、今から14年前のときに、さいたま市に引っ越してきました。夫との相談の上、埼玉に引っ越してきたのですが、ゆかりのなかった地での子育てだったということと、さいたま市はまだできたばかりで、子育て支援が発展途上だったんです。公共施設の子育て世代向けのイベントなどは、抽選や先着のことが多く、公共のところになかなか遊びに行くことができず、孤独感を感じていました。

子育てサークルに参加者として、参加していましたが、サークルでは、良いことしているのに、行き詰まっていたり、場所がとれない、講師の謝礼、集客など、課題が多くて・・・でもつながる場があるのに、もったいないなと感じていました。
娘が幼稚園に入るときに、ママ友が増えました。たまたまそのママ友が保育士や幼稚園の先生だった方が多かったんです。このママたち、なんだかもったいないなと感じていて・・

良いことをしていたり、資格を持っている方たちだけど、何もできていない方をなんとか応援してあげたい。たとえ数時間でもいいので、ママさんたちの収入にできるように。その仕組みをつくりたいと思うようになりました。
地域としての課題、さいたま市ならではの課題を感じ、なんとかしたいと思いました。

そこで、任意団体として、仕組みをつくり、託児、講座、イベントをセットにして、まわせるように。ママたちが自分の時間をもって、「自分育て」できる場を育てたいと思いました。たまたま、2011年に特定非営利活動法人 コミュニティビジネスサポートセンター(以下、CBS)がやっていた内閣府地域雇用創造事業コンペ「コミュニティビジネス起業プランコンペ」に応募する運びとなりました。

書類審査が通った後、事業計画としてブラッシュアップし、優秀賞もらったんです。元々、これで賞をとれなかったら、ままのえんは、やめようと夫と約束をしていたのですが・・賞もいただき、賞金もいただいたので、それらを元手に起業することにしました。
前職、地方で店長をやっていたため、経営の仕組みは分かっていましたし、実家が個人事業なので、ビジネスで回すことが身近で、商売をすることの肌感覚は持っていたんですよね。
そして、CBSに支援してもらうこととなり、現在8期目になります。

━ 活動のこだわりや想いはなんですか?

何か経験やスキルを生かして頑張りたいと思う方への、一歩踏み出すお手伝いをしたいと思っています。
子育て期だからこそ、「自分育て」も楽しんでほしいです。
子育てで、子どもの時間や家族の時間にどうしても費やしてしまいがちですが、自分がどうしたいかを前向きに考え、実践できる女性たちが増えてほしいと思っています。

その人らしい生き方のお手伝いをしてあげたいと思っています。
今は、SNSの発展でつながりたくてもつながれなってことはないですよね。でも、本心でつながれている方はどのくらいいるのか・・ママ友などのサークルの数は減っていて、子どものためのお稽古ごとは増えているんです。プレ幼稚園に行ってからでないと幼稚園に入れないこともあるので、どんどんママ自身の時間が減ってきています。

ままのえんでの自身の経験や、かかわるスタッフの皆さんの経験や集合知を生かして、平成28年度から「園活ナビゲーター」という、保育園や幼稚園探しのサポートを会社のCSR事業として運営しています。この事業は、効率的に情報収集をして、納得できる預け先探しをしてほしい、無駄に不安にならずに、豊かに過ごす時間を増やしてほしいという想いから立ち上げました。

とかく、あふれる情報に左右されがちになりますが、自分を見失うことなく子育ても仕事も大切に、自分らしく生きることができる人が増えてほしいというこだわり、想いが強いです。

━ 今後の夢や野望、ビジョンはありますか?

会社を拡大したいとは思っていないんですよね。身の丈に合った形で着実に継続していきたいです。個人的には子育ても仕事も大切にしていきたいですね。
豊かな生活を送れる方が増えていくように、今後ままのえんの仕組みをもった場所が日本各地で増えていったら嬉しいです。

━ どんな人にままのえんの会員になってもらいたいですか?

自分の経験を生かしたい方、どうやって生かしていいか分からない方、相談したい方などにぜひ。
居場所があれば、いいと思っています。自分育ての相談などいつでもお待ちしています。
具体的には、ハンドメイド、託児、ワークショップを開催したい方なども歓迎です。

浦和のコワーキングスペース「ウラコ」のマネージャーになった経緯は?

私自身、専業主婦から起業して8年となりますが、その間CBSには様々な面でお世話になり、サポートをしてもらってきました。文字通りの中間支援をしていただき、折々で事業相談をさせていただいていました。今回、CBSが浦和に新たにコワーキングの機能を兼ね備えた事務所を構えることになり、「さいたま市で起業した経験とネットワークを生かしてほしい」と、代表理事にお声がけいただいたことがきっかけです。合同会社ままのえんの代表と、ウラコのマネージャーという、二足の草鞋を履くことになりました。

━ 「ウラコ」のマネージャーとしてのビジョンはありますか?

ウラコはコワーキングスペースですが、運営がCBSということもあり、コミュニティビジネスの事業サポート機能も兼ね備えています。私自身がコミュニティビジネスの担い手として合同会社ままのえんを起業し、事業を運営してきた経験を活かし、浦和で、さいたま市で、創業したり事業拠点を構えたりしたい皆さんのサポートをしたいです。そのための専門的な勉強も頑張って進めています。今まで私自身が培ってきた起業の経験と、様々なネットワーク、リソースをフルに生かして、老若男女問わず一歩踏み出したい皆さんのサポートをしたいと思っています。
私がウラコに居るときは、CBSのスタッフとしての業務も行いますが、入居者の皆さんには、遠慮なくさまざまな相談をしていただきたいですし、ウラコにしかできない地域コーディネートの一助となればな、と思っています。浦和を、さいたま市を、創業や兼業、多様な働き方の実践者が集まる、活気のある地域にしていきたいなと思います。

━ 「トビラ」に期待することはなんですか?

世の中的に目立っている方ではなく、隠れた逸材を見つけてほしいです。
SNSに疎いけど、ものすごく活動的な方や、職人気質の方など、浦和の逸材発掘をぜひしていってもらいたいですね。

━ 参加いただいた方やこれから参加してほしい方へメッセージ

女性だから、男性だからではなく、ひとりの人間として、なにかやりたい!という直感を大事にしてほしいです。
理由をつけて諦めてしまう大人も多いけれど、こうしたいと思うことや、面白そうだと思うことを積極的にチャレンジしていったら開けるトビラがあると思います。動かないと何も始まらないですしね。
トビラをノックするだけでもいいよって思います。ままのえんやウラコにお気軽にお問い合わせください。

小林 あゆみ Ayumi Kobayashi

1976年長野県生まれ。大学卒業後、株式会社ナムコに就職。営業職、店長を経験。結婚を機に退職、専業主婦歴7年。さいたま市へ転居後、2010年「ままの*えん」を任意団体として立ち上げ。2012年「合同会社ままのえん」として法人化、代表となる。二児の母でもある。2015年度第11回さいたま輝き荻野吟子賞を「合同会社ままのえん」として受賞。2019年7月から浦和のコワーキングスペース「ウラコ」のマネージャーにも就任する。

合同会社ままのえん

埼玉県さいたま市中央区新都心2-2 With Youさいたま3階
info@mamanoen.net
https://mamanoen.net/cp
facebook mamanoen

浦和のコワーキングスペース「ウラコ」

埼玉県さいたま市浦和区岸町4-25-15 小松ビル202
uraco@cb-s.net
https://sbwa.cb-s.net
facebook cbs.uraco

特定非営利活動法人 コミュニティビジネスサポートセンター

赤羽事務所:東京都北区赤羽1-59-8 ヒノデビル2階
https://cb-s.net
facebook NPO法人コミュニティビジネスサポートセンター

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